情景から物語を想像できるロマンチックなインタリオ・シール✧*: 
キューピッドは「恋の導き手」の他に、「喜び」「苦悩」「成就」「失望」など、あらゆる感情を象徴していました。永い時を経て、当時の尊い美意識と希少な文化を今に伝えてくれるレアで文化的な作品ですෆ*₊
18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパの貴族の子息や学者たちは「グランドツアー」と呼ばれる文化的な旅に出ることが一般的でした。ローマやフィレンツェ、アテネを訪れ、古代ギリシャ・ローマの遺跡や芸術を学びました。その旅の記念として持ち帰られたのが、このようなインタリオ ガラスシールです。18世紀になると、スコットランドの名工 ジェームズ・タシーによって、その技術がさらに洗練され、ローマを中心に高級なガラスシールが生み出されました。タシーの技法を受け継いだ職人たちは、神話や歴史の場面を精巧に刻み込み、それらはグランドツアーを経験した若い貴族や学者たちによって熱心に収集されました。
こちらはそんな当時のガラス・インタリオシール。鮮やかな琥珀色のガラスに高貴な女神の足元に跪き、涙を流すキューピッドが芸術的に彫刻されています。キューピッドは「恋の導き手」としてだけでなく、しばしば愛の苦しみや試練を象徴するものとしても描かれてきました。このシーンは、恋人を失い悲嘆に暮れるキューピッドが、女神の庇護のもと癒されている姿にも見えます。彫刻の細部にまで及ぶ繊細な表現、女神の足元に広がる優美な衣の流れ、キューピッドの肩に寄り添う小さな翼まで、とても美しく、見事な技巧によって表現されています。これらは、18~19世紀のローマの工房で生まれたインタリオの精巧な技術を象徴しています。
愛が神々の手の中にあること、そして人間の恋がいかに無力であるかを示す場面を封じ込めたようなアンティーク・ガラスシール。どのような方が、どのような想いでこのシールを使っていたのかを想像してしまう、愛を感じる一品です✵彡*
年代:1800年頃   
サイズ:W12㎜×L17㎜×H25㎜
コンディション: Very Good
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